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2009年6月

芯地の話 少し

5~6月は撥水素材ばかり縫っていました。そこで気づいた事について。

合成繊維に芯を接着すると、写真のようにくるんと丸まってしまう事があります。

これは、接着芯が縮んでいるからです。

合成繊維だからというわけでなく、どんな生地に接着しても少し縮むのですが、

綿や麻などだと、生地がその縮みについていくので、丸まる事は少ないです。

合成繊維は、生地に融通がきかないので、芯だけ縮み、

結果、丸まるという理屈です。

比較的、不織布の接着芯の方が、縮みにくいです。

織ってあるものはよく縮みます。

芯を貼る時は、アイロンを滑らさずに、上から圧力をかけて接着します。

ところで、polka drops でご紹介している型紙は、

見返しや衿などの全面に芯を貼る時

端まで全面に芯を貼るよう指示していますが、

本当にこだわる場合は、芯だけ、周りをぐるっと3mmくらい小さくして貼ります。

縫い代の厚みを自然に少なくするためです。学校でもそう習ったんですよね。

気軽に、それほど時間をかけずに楽しむハンドメイドだと

そこまで手をかけなくてもいいかなとは思いますが

何かの時のために、知っておくのもいいかなと思いました。

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pp147 かんたんすっきりギャザーパンツにポケットを

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つけました。

脇を平行に切り開いて脇布を足し、挟み込むタイプのポケットをつけた

とても簡単な仕様です。

平行に切り開くので、裾巾も広くなります。ベルトも長くなるので修正してください。

あまり厚みやボリュームのない素材だったので、今回はこれで良かったです。

もとのパターンは110cmの生地巾でちょうど裁断できるように作ったため、

脇布用として、ひと丈分、余分に生地が必要になります。

絵型はこんな感じです。

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パターンは以下のとおりアレンジしました。

脇布も、ウエストと裾は、元のパターンどおりの縫い代をつけてください。

ポケット位置は使いやすい高さでいいと思いますが、サンプルは、

出来上がりウエストラインから12cm下が、ポケット口になっています。

タック倒し方向が図では反対ですが、縫う時は元のパターンどおりに縫ってください。

時間があるとき、直します><

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■おまけ

捨てられないスカラップのハギレ。

ほそーく残ることがあると思うのですが、こういう場合はリボンにできます。

端にスカラップがある細い布を2本。もう一方の端同士を接ぎ、両端はロックをして、

裏に折り込みステッチ始末。(薄い布と2枚仕立てにしても美しいです)

かごバッグにつけたり、髪飾り、ラッピング、色んな所に使えそうです。

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薄物素材の取り扱い

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■ シフォンなどの薄物素材の取り扱いについて

  薄物素材と一口に言っても、色々な種類、質感があります。

  一般的に薄物は難素材が多く、特に張りがなくテロテロとしたものは、

  裁断するにも生地がずれてしまい、苦戦します。

  シフォン・ジョーゼットなどといわれる素材がこれにあたります。

  pp160-pp162 ユイットワンピースは、薄物素材が適していますが、

  製作の際は、仕様や糸、針など、アレンジをして作業してください。

  シフォンは主に薄地で透き通った柔らかな平織りの絹織物を指しますが、

  最近では絹でなくポリエステルなどのシフォンも多く見られ、

  絹よりも扱いやすく、おすすめです。

■ 裁断

  できれば通常の素材と同じように、生地の上に型紙を置き、

  重しを置いてそのまま裁断します。

  使い慣れている場合はロータリーカッターを用いる方法もあります。

  少し余談になりますが・・・下図のように、薄紙を挟んで

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  紙ごと裁断するという方法もありますが、あまりおすすめできません。

  意外と裁断しにくい、ずれてしまいやすいといった事もありますが、

  プロの裁断師は、素材によって鋏を使い分けています。

  絹用の鋏で合成繊維を切ると、切れ味が悪くなります。

  そのくらい鋏はデリケートだと考えて良いと思います。

  鋏には、切る人のくせがつくため、プロであればあるほど、

  鋏の貸し借りは絶対にしません。他人が握ればすぐにわかるのだそうです。

  刃物にも鋼の硬さがあり、切る対象はそれに合ったものであるのが理想です。

■ 針と糸 印つけ

  針は9番、糸は90~60番を使用します。

  印つけは生地に傷がつきやすいのでルレットは避け、切りじつけ(糸じつけ)で。

  押さえ金は薄物専用押さえが便利です。

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  薄物専用押さえは、針穴のすぐ際まで生地を押さえる仕様になっています。

  こうすることで生地が動かず、目飛びを防いで糸調子を安定させます。

  同じく針が通る穴を小さくした薄物用針板(職業用ミシン)なども存在します。

■ アイロンのかけ方

  基本的に熱に弱いのでハギレなどで

  アイロンの温度を確認してからかけるようにします。

  裾上げなどしにくいので、出来上がりラインに薄紙(コピー用紙でもOK)を

  挟んで折り上げるときれいに仕上がります。

■ 縫いの始末

  pp160-pp162 ユイットワンピースの場合、脇・裾の縫い代を1cmにします。

  その上で、脇、パネル、袖下、袖つけは袋縫いをします。(下図参照)

  まず外表で縫い代を4mmで縫い合わせ、縫い代を割ってから今度は

  中表に生地を合わせ、5mmの縫い代で縫い合わせます。

  縫い代端が完全に、中に隠れる状態になります。

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  裾、袖口は、完全三つ折り始末です。(わかりにくいですが下写真)

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  薄物の場合、縫い代も透けるため、

  できるだけ細くするのが望ましいと思われます。

■ 見返しに使う布について

  見返しには、例えばユイットワンピースの場合、衿ぐりのシャープな直線も

  デザインポイントになるため、ラインを安定させるために、やや張りのある

  薄手の素材が適しています。他のアイテムの場合でも、適度に薄い、

  張りのある素材が向いています。

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